コンドームの厳しい検査工程

薬事法で「管理医療機器」に区分されるコンドーム。病院などで使用される「脳波計」や「手術用の手袋」などと同様の区分です。
厚生労働大臣から製造業許可を受けて生産される医療機器ですので、原料の受入れから完成品にいたるまで、全品検査をはじめ、厳しい抜き取り検査が行われていて、そのすべてをクリアした製品のみが皆さんのお手元に届くのです。

原料の受入検査

原料の受入検査

原料の受入検査

コンドームの原料は、このような白いゴムの樹液です。天然ゴムの産出国である東南アジア(主にマレーシア)から輸入されるプレミアムグレードの原料が、薄くて強度が求められるコンドームの製造に適しているかどうか、さまざまな角度から、原料の受入検査を行います。
原料の天然ゴムラテックスは、ゴムの木の樹液から採取されますので、いわば農作物。その年の気候などによって品質が変動します。この原料を安定的に受入れる事こそが品質の第一歩になります。


粘度試験

粘度試験


樹液である原料の粘度が規格値内に保たれているかどうかを確認する試験です。この粘度計を使用して、原料を攪拌(かくはん)しながら粘度を測定しています。

熱化学的安定度試験

熱化学的安定度試験


試薬を加えた天然ゴムラテックスを80℃程度のお湯に浸して、温度変化に対しての原料の安定度を試験するものです。安定度が低いとすぐに固形化してしまいます。

機械的安定度試験

機械的安定度試験


原料の天然ゴムラテックスを毎分14,000回転というものすごいスピードで撹拌(かくはん)します。これは原料を徹底的に混ぜることで、どの程度まで耐えられるかを見るもので、原料の物理的安定性を試験するものです。こちらも安定度が低いとすぐに固形化して、小さな固まりができてしまいます。

アンモニア成分試験

アンモニア成分試験


コンドームの原料は、微生物の繁殖を抑えるために、アンモニアが含まれた状態で輸入されます。このアンモニアが適切に含まれているかを確認する試験です。
もちろんみなさんが使用するコンドームになるときは、このアンモニア成分は完全に蒸発してしまっています。


全品検査

全品検査

コンドームは、「ピンホール」と呼ばれる微細な穴がないかどうかをチェックするために、必ず全数検査が行われています。
コンドームの形をしたステンレス製の金型に、一本一本コンドームをかぶせて、お湯が入ったプールに浸し電気を流します。
万一ピンホールがあれば、金型に通電しますので、そのコンドームは穴のあるものとして機械的に判定され自動的に排除されます。
肉眼ではわからない非常に微細な穴もここで発見されることになります。
この工程で合格した製品だけが、クルクルと巻き上げられて、皆さんが良く見るコンドームの形になります。


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キース・へリングコンドーム 発売開始

自身がHIV感染者でもあり、自分の作品を通じて若い人たちに「危険なセックス」をやめるように訴え続けたポップアートの巨匠「キース・へリング」の作品によるコンドーム。


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キース・ヘリング

キース・へリング(Keith Haring) 1958年アメリカ生まれ。ストリートアートの先駆者とも呼べる画家で、1980年代アメリカの代表的芸術家として知られる。また社会貢献活動を多く行い、エイズ撲滅活動や恵まれない子供たちへの活動で知られている。
Act Against AIDS(AAA)の最初のポスターを描いたのも彼である。

(c)Keith Haring Foundation.
www.haring.com,Licensed by Artestar(NY)

プチ豆知識〜コンドームの意外な使用先〜 たまに漁船から注文があります。何に使用するか聞いてみたところ、釣り針の先につけて疑似餌にする
そうです。魚から見ると、水中をイカが泳いでいるように見えるらしいです。

抜き取り検査

製造(成形)、潤滑剤の塗布、包装など完成品になるまでのさまざまな工程で、その工程ごとに抜き取り検査が行われます。

破裂試験

破裂試験


コンドームの強度を測定する試験です。コンドームが破裂するまで空気を入れ続け、破裂するまでに入った空気の量と、どれだけの力に耐えたかを見るための破裂圧力を計測します。国際規格であるISOでは、空気量で18リットル以上、破裂圧力で1.0キロパスカル以上であることが定められています(折幅:50mm以上56mm未満の場合)。
約40リットルの空気が入り、日本の3歳児ぐらいの身長(約90cm)の高さまで膨らみます。コンドームの長さが大体17cmですから、約5.3倍の高さです。

引っ張り試験

引っ張り試験


これもコンドームの強度を測定するものです。
コンドームを輪切りにして、その両端を引っ張り、破断したときの伸び率とどれだけの力に耐えたかを計測するものです。約50cmぐらいまでの伸びに耐えます。

水漏れ試験

水漏れ試験


コンドームにピンホール(微細な穴)がないかどうかを確認する試験です。コンドームに300mlの水を入れ、一定時間放置して水がしみ出さないかどうかを肉眼でチェックします。同時にコンドームの形状に偏りがないかも確認しています。

転がし試験

転がし試験


水漏れ試験でつるしておいたコンドームを取り外し、根元部分を縛って、手で圧力をかけながら吸水紙の上を転がしていきます。万一ピンホールがあれば、吸水紙に「染み」ができますので、つるしただけでは発見できない穴も検出します。

外観試験

外観試験


検査員がコンドームを一本一本肉眼で検査します。皮膜どうしのくっつきや薄さの偏りがないかどうかを検査します。


製品及び製造環境の微生物検査

製品及び製造環境の微生物検査製品及び製造環境の微生物検査

コンドーム本体はもちろん、作業員の手指や作業台、製造現場の空気中にいたるまでサンプリングして微生物を測定し、清浄状況を定期的に検査しています。法定項目ではありませんが、コンドームは粘膜に接触して使用されますので、微生物レベルの管理が大事なのです。


ご紹介しましたように、コンドームは多くの厳格な試験に合格した製品だけがみなさんのお手元に届けられています。コンドームは、正しく使用すれば、みなさん自身はもちろん、大事なパートナーやその家族、友人などを予期せぬトラブルから守ってくれます。是非、恥ずかしがらずに、面倒くさがらずに、コンドームを使用してください。